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その33 セルフレジ

最近、私が普段利用しているスーパーマーケットで新しいセルフレジシステムが導入されたので、早速使ってみました。これまでもレジそのものは自分で器械を操作して支払う方式でしたが、商品のスキャンは従業員が行っていたので、今までの方式は、「セミセルフレジ」と呼ばれるタイプのようです※1
 今回導入されたのは、消費者が専用の携帯を用いて個々の商品のバーコードをスキャンし、最後に専用のレジで支払うという、「フルセルフレジ」というタイプのものです。

実は、私は小さいころ「レジのお姉さん」にあこがれていた時期があります。次々と商品の値段を読み上げ、正確にレジに打ち込んでいく姿をカッコいいと思っていたのでしょう。
 今回、幼いころの夢の職業を試してみると、さっそく困難に出会いました。専用の携帯でバーコードを読み込むのですが、携帯のカメラのレンズの場所とピントを商品のバーコードとぴったり合わせなければ読み込まれません。商品のバーコードを探し、撮影部位に合わせるのに時間がかかります。さらに、野菜などは、商品を入れてある袋のバーコードが立体的に曲がっていたりするので、平らにしてスキャンしなければなりません。そんなこんなでスキャン自体に時間がかかるので、レジ待ち時間はほとんどありませんが、結局は買い物時間に同じくらいかかっているでしょうか。ほかの買い物客も、最初は物珍しいので多くの人がセルフスキャンをしていましたが、次第に利用する人数は減ってきているようです。私はあきらめずに繰り返して使った結果、バーコード読み取りの操作にも次第に慣れて速くできるようになり、買い物の度にセルフレジを楽しんでいます。

もっと進んだセルフレジを導入しているお店もあります。一部の衣料品店やコンビニではRFID(Radio Frequency Identifier)と呼ばれる特殊なタグをすべての商品に付け、買い物かごに入れた商品のタグをレジのラジオ波で一瞬で読み取り、すぐさま支払いができます※2。このタイプでは、前述したスキャンの手間が省けるのでさらに便利で時間の節約になります。店の方も、レジや品物をバッグに入れる手間が省け、人件費が節約できることになります。但し、ネックはRFIDタグが比較的高価であることだそうです。
 さらに進化するとどうなるでしょうか。アメリカでAmazonが現在30店舗ほど展開しているお店では、レジさえもなく、商品を手に取ったり自分のバッグに入れて店を出ると清算もできている、といった未来型ショッピングができます。但し、前もって決済の方法など個人情報を登録し、店の出入りの際にスマートフォンで本人認証を行う必要があります。そして購入した商品確定の仕組みの詳細は明らかにはされていないようですが、店内に設置されている数多くのカメラやマイク、その他のセンサーで情報を集めるそうです。どの商店でもセキュリティカメラはありますが、それを究極まで追求したシステムのようです。何だかすべての動作を細かく見張られているようで、少し居心地が良くない感じですね。

もちろん買い物にかける手間や時間をもっと節約したければ、ネットショッピングをして宅配してもらうという手段もあります。けれども、実際にショッピングしていろいろな品物を見ながら選ぶ楽しさと、買い物したらすぐ手に入る便利さがなくなります。
 昨今のIT技術の進展で、人々の生活はより便利になっていくはずですが、さてそれで生活がより豊かになるのか、より有意義なことに使える時間が増えるのか、というのはまた別問題という感じがします。


※1:【セルフレジの完全マニュアル】仕組みやメリット、導入方法まで解説! | 小売業向けPOSシステム | NECソリューションイノベータ (nec-solutioninnovators.co.jp)
※2:『セルフレジ』どころじゃない! 未来のレジシステムの機能がすごすぎる|TIME&SPACE by KDDI

(2022/11/07 17:22:24)

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