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その8 ニュースとデマと現実と:新型コロナウイルス感染によせて

本日3月8日時点までに収集可能な情報を基にこのエッセイを書いています。

今年1月後半に中国の武漢で新型コロナウイルスの集団感染が報道されました。武漢では、連日感染者と死亡者がうなぎ上りに増え、早速その地域の出入りは禁止され、隔離策が取られました。日本政府の広報やテレビでの報道は、「冷静に受け止め、行動して下さい」ということでした。人ごみを避ける、不要不急の外出は控える、一般の感染症対策としてマスクや手洗いをする、というアドバイスでした。

2月に入ると、「中国に滞在した人またはその濃厚接触者」の感染リスクが高いということで、それに該当する場合には、帰国者・接触者相談センターすなわち保健所を案内する程度でした。その後は日本国内でも感染者が次第に増え、人から人にうつるということで、「発熱4日間までは自宅待機、その後は対応可能な医療機関へ」という方針に変更されました。2月末には首相自ら演説し、「小中高等学校は3月中は閉校」という思い切った手段が取られました。3月に入っても、毎日感染者は増え続けています。日本では1日数十人単位で新しい感染者の数が増えつつあるのが心配ですが、韓国、イラン、イタリアなどでは、毎日数百人ずつ爆発的に増えています。もう地球規模でパンデミックと言える状況ではないでしょうか。

その間に、マスクや消毒用エタノールは品切れになってしまいました。一方、WHO(World Health Organization:世界保健機構)からは、「子供は新型コロナウイルスに感染しにくく、重症になりにくい」「マスクは、感染予防には推奨しない」という情報が出されました。もともとマスクは、使用者が咳やくしゃみをする際に、その飛沫が広く飛び散ることはある程度防げますが、ウイルスなどの微生物が侵入するのを防ぐことはできません。また、自分の手や皮膚に付着したウイルスがあっても、眼・鼻・咽喉などの粘膜に付かなければ、体内に侵入しません。これらは、医師であれば一般的に知っている情報です。従って、外出から帰宅したら手をエタノールで消毒したり、水で洗ったりして、手から眼や口に入らないように注意することが大事だと言われています。

マスクの推奨度合いが日本のニュースとWHOでは異なっているので、正確なところをネットで調べてみました。NHKのNEWS WEBでもこの問題を取り上げていましたが、「予防効果はあるかも知れないが、科学的なエビデンスがない」とどっちつかずの結論です※1。また、朝日新聞の記事では、マスクの穴の大きさと微生物の大きさが比較されていました※2。マスクの穴は見えないほど小さいですが、直径5マイクロメートル(マイクロは10⁻⁶なので、1マイクロメートルは1ミリメートルの1000分の1)だそうです。ウイルスは0.1マイクロメートルなので、マスクの穴の50分の1の大きさです。ウイルスはマスクをスイスイと通れそうですね。一方、スギ花粉の大きさは30マイクロメートルというオーダーなのでマスクの穴より大きく、こちらはマスクで予防効果があります。この記事を書いた医師も、ウイルスに感染した本人がマスクをするのは、飛沫を防ぐ意味で重要だが、一般的な予防にはマスクより手洗いの方がもっと重要だと主張しています。

さて、ここからはデマの話題です。2月末に、トイレットペーパーやティッシュペーパーがなくなる、というデマがSNSで流れました。中国で作れなくなっているから、という理由でした。すると、あっという間にお店の棚からトイレットペーパーが消えました。デマに踊らされたのでしょうか?それとも半信半疑でお店に行ったら品物がなくなっていたので、買い占めに走ったのでしょうか?すぐさまテレビのニュースでも、この情報はデマだと報道されました。デマを流した張本人も特定されており、謝罪もしたようなので、これからはおさまっていくと思います。コロナウイルスよりデマの方が早く拡散するとは、驚きました。みんながマスクをしているという現実、トイレットペーパーが店にないという現実の力は強いですね。デマや正しくない情報は、理性で判断することが大事だと思います。


※1 マスクの予防効果ある?ない? NHK NEWS WEB
※2 飛沫感染 マスクの予防効果は? 朝日新聞 2017年1月21日

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