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その16 肩こりのツボマッサージ

前回に続いて、今回もツボマッサージの話題です。私は、パソコンで同じ姿勢での仕事が多く、肩や首の凝りがいつもあります。そもそも肩こりとは何でしょうか?長時間同じ姿勢を続けていたり、同じ力がかかっていたりした場合に、負担のかかる筋肉が固くなって血行が悪くなり、肩が動きにくく重く感じられることを言います。その対処法としては、まず同じ姿勢を長時間続けず、休憩したり首や肩を動かしたりすることを心掛けることです。

私もしばらくパソコン仕事をしたら肩や首を動かしたり、軽い運動をしたりするのですが、やはり凝りはなかなか取れません。そこで私が良くやるのはツボマッサージです。肩こりのツボは、首から肩にかけていくつかあります。私が指圧して痛気持ち良い、効き目があると特に思うのは、耳の下端から首前面下端に斜めに走る筋肉(胸鎖乳突筋)に沿った中央と下端の2点と、両肩の肩甲骨上辺の中央にある肩井(けんせい)という肩のツボです。お風呂に入って身体が温まりリラックスした際に、これらのツボを軽く指圧してマッサージをすると、特に良く効くように思います。

ツボは正式には経穴(けいけつ)と呼ばれ、2000年以上前に中国で確立された東洋医学のひとつです。経穴は身体のエネルギーの通り道(経絡 けいらく)の要所にあたり、そこを刺激することによって、身体の不調を軽減したり調子を整えたりするということです。私は、西洋医学の解剖学的な神経分布と東洋医学のツボの場所とはあまり関係がなさそうなので、いったいどんな機序でツボのマッサージや鍼による治療が効くのか不思議に思っていました。今回ある論文によると、ツボは筋肉を包む筋膜が神経と血管の束で貫かれている場所で、実際に少し凹んだ穴状になっているそうです※1。そして鍼灸医学の経験を積んだ治療者は触診によって、陥凹・硬結・圧痛のある点をツボと同定し、治療をして筋緊張を緩和するそうです。

東洋医学と言いましたが、実は国際的にも経穴は認められています。2006年にはWHOによって、ツボの位置に関する世界基準が決められ、治療効果も認められています。60もの国々で行われた1万3千を越える論文をまとめた結果、ツボの鍼治療による効果は、頭痛や腰・膝の痛み、アレルギー性鼻炎、術後や癌の化学療法の嘔気嘔吐などに特に効果があるとされています。

ツボはマッサージだけではなく、鍼治療や鍼麻酔にも使われます。30年以上前ですが、私は大学の麻酔科で1年ほど研修したことがあります。その時の医局員仲間で、中国まで鍼麻酔の見学に行った人がいました。彼は帰国してからスライドで鍼麻酔下で行われた手術などの写真を紹介し、私は驚いたのを覚えています。鍼麻酔の効果は、脳内でエンドルフィンなどのモルヒネ様物質が放出され、鎮痛されるということです。


※1 「経穴とは何か」 佐々木和郎 鈴鹿医療科学大学大学紀要20: 15-26, 2013

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