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その28 身近で見つけた最新テクノロジー

最近、私の身近で最新テクノロジーを見かける機会がありました。ひとつはドローンの操作で、もうひとつは3Dプリンターで作られた作品です。どちらもニュースやテレビで紹介されてから久しく、最新というのはおこがましいようですが、私が実際にこの目で実物を見たのは初めてで、「わあ、時代も次々と変わっていくのね」と実感した次第です。

ドローンは、うちの近所の屋根の上をホバリングしていました。操作していたのは建築会社の社員の方で、私と顔見知りだったので間近で見せてもらいました。その家の壁の塗り替えに際して、屋根の状態を確認しているということでした。ドローンを使用する前は、職人が屋根に上って、直接形状を確認したり写真を撮ったりしなければならなかったそうです。今は、地上からドローンを操作し、屋根の上から写真を撮るだけでオーケーと言うことで、とても手軽にできるようになったとのこと。あとは会社のパソコンで画像を拡大してつぶさに観察し、修理作業などの業務に役立てるそうです。時間も労力も格段に少なくなり、まさに技術革新と言えるでしょう。

3Dプリンターの作品は美術館で本物を見ました。今年の秋から冬にかけて東京都美術館で開催されていた「ゴッホ展」でのことです。コロナ禍もおさまっており、私も久々に美術館に出かけることができました。人気のある展覧会なだけに時間ごとの予約制となっており、一度に入館できる人数は限られていましたが、デッサンや油絵などゴッホの作品群をゆっくり鑑賞することができました。最後に展示室からお土産品売り場に出ると、お決まりの絵葉書やポスターなどが並んでいました。そして今回壁に掛けられていたのは、3Dコピーしたいろいろな大きさのゴッホの作品でした。ポスターであれば色は再現できるけれど2次元だし、模倣画であれば油絵だとしても似せただけの作品にすぎません。3Dコピーは油絵の筆の筆致までそのまま再現するので、荒々しく絵具を重ねた画家の仕草まで想像できるようです。特にゴッホの有名な作品は絵具が文字通り盛り上がっているので、3Dコピーで再現するのに最適なようです。この展覧会に訪れた多くの方々もそう感じたようで、それぞれの作品の脇には予約の人数がたくさんのシールの数で表されていました。注意書きによると、3Dコピーの作品は表面を手で触ることも可能で、汚れたり変形したりもしにくいので扱いが楽ということでした。

ほかの美術館でも3Dコピーの技術が使われているのか調べてみると、ニューヨークのメトロポリタン美術館やロンドンの大英博物館などでは、彫刻や遺跡からの美術品などのデータが公開されており、無料でダウンロードできるようです。3Dプリンターがあれば立体のコピー作品が作れるということです。

また、3Dプリンターの技術は歯科でインプラントをする際にも使われているそうです。人間の3Dコピーといえば、以前テレビで、前後左右2方向の人の写真のデータを取り込んで、3Dプリンターでその人のミニチュア(フィギュア)が作れると放映していたのを思い出しました。自分のペットや家族など実物大でフィギュアが作れると面白いでしょうね。ペットが亡くなってしまっても、そばにフィギュアを置いて、懐かしむかよけい悲しくなるか・・・切なくなりますね。好きな芸能人だったらどうでしょうか。同じテーブルに座ってお茶を飲んだら、生活の励みになるか、それとも仕事も手につかなくなるでしょうか。

さて最初に戻って、ドローン技術の方はどんな産業に応用されているでしょうか。人が訪れにくい場所でも、ドローンは空中を飛んで画像や映像を撮ることができます。地図を作製したり地形を計測したりの作業が、より簡単にそしてパソコンによる解析でより詳細にできるようです※1。江戸時代の偉人伊能忠敬は千葉県佐原の商人でしたが、彼が日本中を歩測して距離を測り、分度器で角度を測っていたのとドローンによる情報収集とは、時間も労力も、そして残念ながら正確さも文字通り天地ほどの違いがあります。さらにドローン利用の応用としては、災害時に被災地区をいち早く同定したり、被害状況を確認し、被災者を見つけて救助活動に役立てることができます※2。さらに十分な荷物を安全にそして正確に運ぶことができれば、災害で孤立した地区に必要な物品を運ぶことも可能です。但しドローンもいくつか弱点があります。天候や通信状態に左右されやすい、飛行時間が短い、重い荷物を運ぶことは困難である、などです。
 まだまだ課題はあるでしょうが、私はこれらの新しい技術が、より安全により便利に生活に応用できる日が来ることを待ち望んでいます。


※1:自治体も注目!災害時のドローン活用事例と課題 | 日本ドローンアカデミー ドローン総合 | 資格と実践力取得を目的としたドローン操縦者養成スクール (drone-a.com)
※2:災害時の緊急点検におけるドローンの活用について~都市部における新たな取り組み~ 田邉和嗣

(2021/12/30 20:58:51)

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