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その22 人生100年時代あれこれ

今までは日本人の平均寿命が大体80歳とか85歳ということがよく報道されていましたが、最近は「人生100年時代」と考える方がむしろ現実的で、退職後の長い余生をどのように過ごすかについて、多くの人々が考えたり備えたりしておくべきと言われています。それでは実際に、どれくらいの人が100歳まで生き延びるのでしょうか。
 2011年の厚労省のデータによれば、65歳の人が100歳まで生きる確率は、男性が1%、女性が6%だそうです。そんなに多くはない印象ですが、女性は男性の6倍も確率が高いので、生き延びた場合の備えをしておくことは特に重要だと思います。
 「人生100年時代」の大きな課題は、この定年退職後の30年余りを生き抜くためのお金が要る、することが要る、気力・体力が要るということでしょう。「お金」と「すること」は、もし何か賃金をもらえるような仕事をすることができれば、何とかなりそうです。社会参加にもなって、生きがいも持てそうです。「気力」や「体力」は、もちろんその人にもよりますが、健康を維持または増進することが大事なポイントでしょう。

それにしても、今までは平均寿命が80歳代だと思っていたところから、「人生100年時代」と急に20年ほど長く生きる可能性を考え、そのための準備を心掛ける、というのはあまり楽しい作業ではなさそうです。もし、人生が20年延びるのであれば、20歳代からの20年がもう一度生きられれば良いのに、と私なら思ってしまいます。学生時代も終わり、社会人として独立し、しかも心身共に若く充実したあの頃に・・・。そして、同じ人生を繰り返すよりは、ちょっと違った人生を送りたいですね。私の空想のプラス20年の人生は、できれば外国で過ごすような仕事について、今の人生とは違った経験をしてみたいと思います。
 たとえば、日本風のパン職人になって小さなカフェを開業したり、料理人として働き、余暇には各国の食べ歩きをしたり、またはエッセイストになって旅行記を書いたり地域の情報発信をしたり。日本語や日本の文化を現地の子供たちや学生に教えるのも楽しそうですね。

ところで、老後の備えに関しての比較的最近の話題では、「老後資金2000万円問題」や「終活」などがありました。「老後資金2000万円問題」は、金融庁の報告書に端を発し物議を呼びました。それによると、年金だけでは老後の生活費が足りなくなるので、それ以外の資金が2000万円必要であると報告されました。年金だけでは2000万円足りなくなる、とセンセーショナルに報道されて騒ぎになりましたが、もともと老後の資金には退職金や貯蓄額なども考慮されていたと思うので、そういった情報が不足しているという点があるようです。平均寿命が伸びれば必要な資金も増えるので、それを前もって用意するという心構えをすることは良いことだと思います。
 さてもう一つの話題の「終活」ですが、こちらは「人生の終わりのための活動」の略で、2009年に週刊朝日で連載された記事が始まりだそうです。延命治療や葬儀、そして財産分与をどうしたいかという意思をエンディングノートや遺言として残すという行為を指します。これももちろん大切なこと、準備しておくべきことですが、子供世代が話題として出しにくいので、親世代である高齢者が自ら考え、用意しておくべきだと思います。敬老の日とかを良い機会であると捉えて考えを及ばせ、子供などに自分たちの意思を伝える、または書いて残すのはどうでしょうか。

(2021/05/25 17:32:37)

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