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その20 シニアで偉業をなした人々

この「日常生活のほっとアクセント」シリーズその8でも書きましたが、私はラジオ英語講座のファンで、ほぼ毎日レッスンを聞いています。ところが最近、私が愛聴している「実践ビジネス英語」の番組が今月で終了することを知りました※1。熱心なファンとしてはとても残念です。この番組は33年間続いた長寿番組でしたが、講師の杉田敏先生がご高齢になり、退かれることになったそうです。杉田先生のお歳はなんと77歳!私はお声の感じや話題が現実社会にピッタリと即していることから、60歳代でいらっしゃるのだろうと見当をつけていたので、70歳代後半だと知ってびっくりしました。もっと若い人々でも、なかなか新しい世の中の動きについていけなかったり、自分が若い時の常識で物事を判断しがちで、つまり頭が固くなっていることが多いと思われます。きっと何歳になっても積極的に世の中の動きに興味を持ち、精神的にいつも活動的であるという姿勢が大切なのでしょう。

今月の別の英語講座の番組(番組名:高校生からはじめる「現代英語」)では、葛飾北斎の未公開作品を大英博物館がオンラインで展示した、という昨年秋の英語ニュースが紹介されていました。それによると、今回展示された絵画は北斎が70歳くらいに描いた100点ほどのもので、「萬物絵本大全図」という本の挿絵として描かれた作品集です。そして彼があの有名な「富嶽三十六景」を描いたのはさらに2年あとだそうです。平均寿命が50歳くらいの時代に、70歳を過ぎてから「富嶽三十六景」の傑作を産み出したとは驚きです。私はこれまで、北斎がもっとずっと若いころに描いたものだとばかり思っていました。もちろん70歳を過ぎてから描いたと言っても、いわばそれまでの経験や技術、そして業績の集大成が70歳すぎであったということです。今までの積み重ねがなければとても描けないでしょう。私も公開された「萬物絵本大全図」の挿絵をオンラインで鑑賞しましたが、人間や動物が筋肉も隆々と描かれ、今にも動きそうに迫ってきます※2

ほかに晩年に偉業をなした人物として、私は伊能忠敬を思い出しました。彼は、本業の商売を隠居してから日本地図を作製すべく北海道に徒歩で測量旅行に出かけています。ご隠居さんになってから本業以外の道を究めたわけで、ただただ感心や尊敬をするばかりです。今回調べてみると、伊能忠敬は千葉県九十九里浜の生まれで、同じく千葉県佐原市の大きな商家を継ぎます※3。隠居したあと、50歳で天文学と暦学を学ぶべく31歳の師匠のもとに弟子入りしたそうです。そして天体観測や測量の技術を学び、55歳で北海道に出かけています。大きな測量器具を携えて、距離は歩測で測り、天体観測も行いながら6カ月に及ぶ測量旅行を終え、地図を作製しました。道路や交通網も整っていない江戸時代に、その労力は計り知れません。さらにその後全部で10回にわたり日本各地を測量して回り、日本全土の地図を作製しています。

もちろんこれらの人々は人並み外れた能力や才能があったわけですが、平均寿命の短い江戸時代にあっても、高齢になってさらに新しいことを成し遂げたわけです。その鍵は、①自分の好きなこと、得意なことを究める、②長生きすること、でしょうか。伊能忠敬は隠居してから歩いて全国を測量して回っているので、さぞかし屈強で健康な人であったと思いきや、慢性気管支炎のような持病があり多分肺炎で亡くなったのであろうということです。


※1:人気ラジオ講座「実践ビジネス英語」33年の歴史に幕 (asahi.com)
※2:Dropbox - Hokusai Acquisition 2020 - 日常をシンプルに
※3:伊能忠敬:隠居後に前人未到の全国測量を成し遂げ、精密な日本地図を作成 | nippon.com

(2021/03/31 20:23:04)

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