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その18 たかが草、されど草

年が明けて寒波が到来し、寒い毎日となっています。我が家の庭も、秋に植えたビオラやパンジーが力なく震えています。けれども雑草はこんな悪条件も何のその、土の上にしっかり葉を出し、領分を広げる気配を見せています。一体何のために雑草ははびこるのでしょうか?買って来て植えた花はひよわで、枯れたりしおれたりしやすいのに、どうして雑草はそんなにたくましいのでしょうか?もちろん種の保存、生き延びるためと思われます。

雑草のように、野生(?)の生物の生き抜くための力強さには目を見張るものがあります。葉っぱだけの植物、どうせなら食べられれば良いのに、とつい思ってしまいます。ホウレンソウやレタスのように食べられれば、庭や道端で散歩の途中などに収穫できてとても便利です。一歩譲って人間には食べられなくても、もし犬の餌になれば、庭にうちのワンコを放すと運動にもなり食事にもなって一石二鳥です。

実際には、雑草は食べられないから雑草なのでしょうが、カワイイ花でもつけてくれれば見て楽しめるのに・・・と思ってしまいます。確か小学校の理科で習った知識では、「植物は花の雄しべと雌しべで生殖を行い、種を作って増えていく」ということでした。はて、雑草は言葉通り草だけの植物のように思えますが、花もなく増えるのでしょうか。そう思って庭の雑草をしげしげと見ると、小さいながらも花がついています。ということは、私が雑草だと思って見落としていただけで、実際は目立たないけれども花がついて、種が落ちて増えていくのでしょう。

そこでインターネットで「よく見る雑草」の画像を調べてみると、あるある、良く見慣れた雑草が次々と出てきます。公園や空き地でよく見かける「エノコログサ」「メヒシバ」「ススキ」などのイネ科の植物。これらは穂に小さな花や種ができるようです。「ヨモギ」「タンポポ」「セイタカアワダチソウ」などはキク科で、小さな野菊に似た花を咲かせます。

我が家の庭によく生える雑草は、「タンポポ」「スベリヒユ」そして「カタバミ」だということも分かりました。雑草を抜く際には、タンポポは根が長いけれども土を掘れば上手に抜けます。スベリヒユは地面の表面に這うように広がりますが、根が浅いので抜けやすいです。一番問題になるのがカタバミで、地下茎が伸びているので、なかなか取りきれません。私はこれらの雑草を邪魔者扱いしていますが、調べてみると実はタンポポには健胃や利尿の効果があり、スベリヒユは健康食品として食されるそうです。抜くのが厄介なカタバミでさえ、繁殖力が強く一度根付くと絶やすことが困難であることから、歴史的には武家の間で子孫繁栄のしるしとして縁起が良いとされ、戦国大名の長宗我部家の家紋にも使われていたそうです。今度カタバミを抜こうとしたら、「頭が高い!」とお𠮟りをいただくかも知れません。

さて、草の話題をもうひとつ。今年は丑年ですが、牛は草食動物で、牧草を食べて立派な筋肉を作ります。私たちニンゲンは筋肉を作るためには蛋白質を取らなければいけないのに、牛はどうやって筋肉を作るのでしょうか。実は牛には4つの胃があり、一旦食べた牧草などを第1の胃と第2の胃から口に戻しては反芻し、消化しやすくするそうです。また、第1から第3までの胃にはバクテリアが常在しており、それが食べた植物を分解し蛋白質を合成、第4の胃ではさらにそのバクテリアも消化して牛が食べてしまうということです。そうやって立派な筋肉ができるということです。さらに、牛が食べる牧草にはアルファルファやクローバーなど私たちに馴染みがある草も含まれており、またススキやセイタカアワダチソウなど私が上に挙げた雑草も食べることができるそうです。ここで私は、牛に空き地の雑草を食べてもらったらどうかな、と想像してみました。すると、きっと食事のお礼に牛糞を残していってくれるでしょう。そして牛糞は肥料にもなるでしょう。こうやって考えると、植物、バクテリア、草食動物、肉食動物という食物連鎖にも想像が膨らみます。年の初めの話題としてふさわしかったでしょうか。

(2021/01/27 08:10:32)

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