メディカルミッション

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 過去ログを読む(クリック)
その33 傷の治りとランゲルハンス細胞
その32 味覚障害と嗅覚障害
その31 ロコモティブシンドロームとその予防・対策
その30 私が決める私自身の介護
その29 清水選手『奇跡のレッスン』を見て
その28 健康寿命とシニアの体力テスト
その27 腰痛対策:骨盤を立てて座る
その26 セカンドライフの過ごし方
その25 誰にでも老化は来る
その24 スポーツ時の暑さ対策
その23 マインドフルネス
その22 コロナワクチン接種開始
その21 ネット依存、スマホ依存
その20 体年齢測定のしくみ
その19 目の健康をチェック!
その18 温泉は健康に良い?悪い?
その17 お肌ケア
その16 肩こりのツボマッサージ
その15 西洋医学がだめなら東洋医学はどうですか?
その14 下半身の筋力強化:バレトンがおすすめ
その13 シニアのスポーツ:私の5カ条
その12 インターネットでワークアウト
その11 夢のお告げ または 記憶のフィルタリング
その10 患者へのアドバイスの伝え方
その9 人間の宿命、腰痛とその対策
その8 ニュースとデマと現実と:新型コロナウイルス感染によせて
その7 寝る前ヨガ
その6 新・ウォーキングの常識
その5 ゴルフ肘、テニス肘
その4 良い姿勢の効能
その3 簡単で効果的なダイエット
その2 フットケア、私の場合
その1 体調を崩したあと、改めて健康に感謝!
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その23 マインドフルネス

新型コロナウイルス感染症が長引き、ワクチン接種が始まってほっとしたのも束の間、今度はいろいろな変異型ウイルスが現れてさらなる脅威となっています。外食や旅行も今までのように手放しで楽しむことができず、ストレスが溜まる一方です。さて、そんなストレスを軽減する方法のひとつにマインドフルネスがあります。
 マインドフルネスとは、瞑想を継続して行うことによって、自分の気持ちや心のありようをより良い方向へと変えていくことです。マインドフルネスによって脳が活性化され、仕事の効率を上げる効果があるということで、IT企業などでも積極的に取り入れられているそうです。瞑想というと、もともとはお寺などで僧侶が行う仏教的な修行のひとつで、邪念を排除して精神統一することによって、より強固に仏の教えに従うために行われるものでした。マインドフルネスで言う瞑想とは、宗教とは離れた「今この瞬間を観察し、ありのままに受け入れている状態」のことを言います。過去を思い出すと嫌な記憶にとらわれたり、未来を考えると不安を感じたりするので、あえて「今」に気持ちを集中させます。今の状態を見つめ直すことで、より客観的な視点を得られたり、他人と共感しやすくなったりする効果があるそうです。

そうは言っても雑念を排除するのは初心者には難しいので、マインドフルネスの瞑想をする実際のやり方としては、呼吸に集中するやり方や、鳥の鳴き声や電車の走る音に気持ちを向けるやり方などがあるそうです※1。呼吸に集中するやり方では、呼吸に従って自分の胸やお腹がふくらんだり縮んだりする感覚に意識を向けます。音に集中するやり方では、耳に聞こえる雑多な音の中から1種類の音を拾い出してそれを聞くことに集中する、または何種類かの音に気持ちを向けるようにします。どちらの方法にしても、感情や思考を差しはさまずに、単純な知覚や聴覚などの感覚に神経を集中させるということです。そうすると、その間は雑多な記憶や思考、感情などは停止するので、気分転換のあとのように脳がリフレッシュする感じが得られます。

ここで、私は、ヨガで取り入れられている呼吸法や瞑想もマインドフルネスではないかと思いつきました。ヨガは呼吸法が基本なので、プログラムの最初にはまず深呼吸を行い、気持ちを落ち着けます。また、私がよく実践しているヨガのプログラムにも瞑想とその手法が取り入れられているものがあります。インストラクターによってやり方が多少違いますが、あるプログラムでは、座禅を組んで、過去でも未来でもない、現在、つまり今に意識を置いて瞑想し、雑念が浮かんだらそれにはこだわらず、流すようにします。また別のプログラムでは、最後に床に仰向けに寝るポーズを取り、自分の周りにさざ波が寄せては返すさまを想像して瞑想を促します。ヨガで体が心地よく疲れているので、私はつい意識が遠のきそうになってしまいます。そしてプログラムが終わった後には、身体も気持ちもすっきりしていると実感します。

さて、マインドフルネスには、医療的にもさまざまな効果があるということです。精神的な状態への効果が主で、緊張や抑うつが軽減される、不安が低下する、そしてストレス耐性が向上するなどです。それ以外にも、免疫力アップ、自律神経のバランスが改善する、高血圧や慢性疼痛が軽減するなどの効果が報告されています。ある論文では、多くの臨床試験をメタ解析したエビデンスを検証していました。それによると、マインドフルネスによって様々な精神疾患で改善を有意に認めるということですが、特に不安や抑うつ症状においては大きな改善があり、また心身症でも中等度の効果を示しました※2

マインドフルネス瞑想は手軽にどこでも短時間で始めることができ、心身に対してのさまざまな効果があるということで、お勧めです。但し、長く続けるためには自分が主体となって根気よく続けることが重要だと思います。


※1:「マインドフルネス」とは?めい想の方法・効果と「呼吸のめい想」のやり方 | NHK健康チャンネル
※2:マインドフルネスとエビデンス 林紀行 人間福祉学研究 7(1); 63-79, 2014

(2021/07/04 18:21:19)

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